スリーエム(MMM)の理論株価は?

個別株

初回である今回はスリーエムの理論株価を算出してみます。

DCF法を用いた理論株価の計算方法についてはこちらをご参照ください。

スリーエムの企業紹介

スリーエムはNYダウ30種に含まれる米国を代表するコングロマリット企業です。

主な事業は、工業、安全、グラフィック、ヘルスケア、電子機器とエネルギー、消費者向けと大変幅広く、その取扱い製品は6万種以上に及びます。

スリーエムは、60年にも亘る連続増配企業としても有名です。100年に1度と言われたリーマンショック時でさえも着実に増配を続けてきた歴史は、同社のビジネスの底堅さを証明しています。

スリーエムの競争力の源は数千件以上の特許です。様々な特許を応用して数多くのユニークな製品を生み出しています。コングロマリット企業ならではのシナジー効果というところでしょうか。

また、スリーエムには15%カルチャーというものがあります。これは「社員が勤務時間の15%を勤務に直接関わること以外に充てることを認める」カルチャーです。こうした柔軟な企業文化がユニークな製品開発に繋がっているのだと思います。

スリーエムの株価推移

スリーエムの株価推移を確認してみます。

なんということでしょう・・・見事に大暴落しています。

2018年1月に250ドル近くまで上昇しましたが、現在の株価は156ドルまで暴落しています。実に40%近く下落となります。

下落の主な要因は米中貿易戦争です。米中双方の関税引き上げにより、中国との取引があるスリーエムの業績不安に繋がっています。2019年4月の決算では弱気なEPS(一株当たり利益)見通しが嫌気されて1日で13%下落しました。

スリーエムの復活には米中貿易戦争の決着が不可欠ということでしょうか。逆に、貿易戦争が終われば買戻しの有力候補になるという見方もできるかも?

スリーエムの理論株価

さて、本題のスリーエムの理論株価を算出していきます。

前提条件

先ずは前提条件です。

財務データは直近の通期決算をMorningstarから、発行済株式数については最新のものをYahoo financeから引用しました。

②フリーキャッシュフロー(FCF)は2018年決算の実績となります。フリーCFは営業CFから事業継続に必要な設備投資を控除した金額となりますが、Morningstar社の算出結果をそのまま採用しています。ちなみに、Morningstar社はキャッシュフロー計算書の「有形固定資産の取得による支出」を「事業継続に必要な支出」とみなしているようです。

③2019~2023年までのFCF成長率と④2024年以降のFCF永久成長率は、ともに2%で設定しました。これは、過去の米国の平均インフレ率に合わせたものです。言い換えると、インフレ率以上の飛躍的な利益成長はスリーエムには期待していないという保守的な考えです。

⑤割引率は7%で設定しています。割引率はWACC(加重平均資本コスト)とも呼ばれます。難しい言葉は置いといて、市場から資金調達する際のコストということです。言い換えると、市場が最低限期待するリターンとも言えます。過去の米国株式は実利で約7%のリターンを上げてきていますので、私の場合は7%を使用しています。

(正直、割引率は人によって考え方は様々です。例えば、最近の世界的な利回り低下を考えれば、もう少し調達コストは低いのでは?という考え方もあるかと思います。そうなると割引率は低くなるのですが、現在価値が高まるので理論株価は高めに出るので注意が必要です)

理論株価

上述の前提条件の下、理論株価を算出した結果、スリーエムの理論株価は「132ドル」となりました。買値上限である理論株価+10%でも145ドルとなります。

現在の株価が157ドル程度なので、理論株価より約19%オーバーバリュー(割高)となります。

投資方針

2018年初頭に250ドルで取り引きされていたことが正直信じられないですが、当時はかなり割高な水準で取り引きされていたと考えられます。現在は、フェアバリュー(適正値)の水準にじわじわと近づいているというところでしょうか。

また、今回の結果に大きい影響を与えているのは、⑦短期負債及び長期負債です。この総額が266億ドルと巨額なので、理論株価を押し下げています。

とはいえ、スリーエムは信頼できる優良企業の1つと思いますので、今後もウォッチを続けていきたいと思います。

 

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