日本では、今でも「株式投資はギャンブル」という認識が根強く残っています。株式投資のことを勉強すると、株式投資(プラスサムゲーム)とギャンブル(マイナスサムゲーム)の違いは明確なのですが、日本では、なかなか理解してもらえる話ではありません。
しかし、「株式投資はギャンブル」と言う人たちは、自分のお金をどのように扱っているのでしょうか。銀行に円建てで預金しているのではないでしょうか。
ゆきまるは、銀行への円預金も立派な投資だと思っています。多くの日本人にはその感覚が欠けているのではないかと思うのです。
なぜなら、円預金とは、「円の価値が将来的に高まること」に対する投資に他ならないからです。
デフレ時代は有効だった円預金
確かに、バブル崩壊後の日本において、円預金は有効な選択肢ではありました。
(世界経済のネタ帳から引用)
バブル崩壊後、日本経済は「失われた20年」と呼ばれ、その間、デフレが進行しました。デフレとは、「モノの価値が下がること=通貨の価値が上がること」を指します。従って、これまでは、円預金を保有していれば、その価値は保たれていたのです。その歴史が、多くの日本人に「円預金は安全」という認識を植え付けています。
インフレ下における通貨の価値
しかしながら、仮に、将来的にインフレが進行した場合、逆に、円預金の価値は目減りしていくことになります。インフレとは、「モノの価値が上がること=通貨の価値が下がること」を指すからです。
例えば、仮に年間2%のインフレが起きた場合、1年目の1000円は、20年目には681円まで価値が目減りします。勿論、銀行に預けているお金の絶対額が減ることはないですが、その金額で買えるものが少なくなるという意味です。
日本でインフレは起きるか
そんな話は現実的ではないと思われる方もいるでしょうが、少なくとも、政府・日銀はインフレを起こそうとしています。それが「量的・質的金融緩和」です。
具体的には、2013年以降、日銀による政策金利の引き下げ(質的緩和)、国債の大量購入(量的緩和)という政策を実行し、市中にお金をじゃぶじゃぶと投入し、日本にゆるやかなインフレ(年間2%)を起こそうとしたのです。
しかし、金融緩和を開始してから6年経過した現在において、目標とするインフレ率には達していません。
それでは、このままインフレは起きないのでしょうか。ゆきまるは、そうとも言い切れないと考えています。
日銀による金融緩和が景気刺激効果を発揮しないことは、もはや周知の事実ですが、ここから先、財政拡張を求める声が出始めるのではないかと予想しています。
「金融政策だけでは限界がある。やはり、財政政策とセットで景気対策を行うべきだ」という考えです。
しかしながら、政府が財政政策の財源を確保するためには、赤字国債を発行する以外に手はありません。そして、その赤字国債を実質的に引き受けるのは日銀です。
今後、日銀の国債保有率(現在は43.5%)が更に拡大した場合、もし市場が「日銀が赤字国債を引き受け財政赤字を穴埋めしている(財政ファイナンス)」と見做せば、「円への信頼」が揺らぐことになります。円の信頼が揺らぐということは円安を意味しますから、輸入品の価格上昇等を通じて、国内にインフレを引き起こします。
円預金はインフレが起きない未来への投資
将来のことは誰にも分かりませんが、様々なリスクに対して対処できるように準備しておくことは大切なことです。
資産の全てを円預金で保有している人は、「円の価値が保たれる未来(インフレが起きない未来)にフルインベストしている」という認識を持っていた方が良いように思います。
ゆきまるは、そんなことはとても怖くてできないので、米国株(ドル)に投資してリスク分散したいと思います。
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