※2019年決算を踏まえて理論株価(適正株価)を再計算
今回はシスコ・システムズ(CSCO)の理論株価(適正株価)を算出します。
DCF法を用いた理論株価の計算方法の概要についてはこちらをご参照ください。
シスコ・システムズ(CSCO)の企業情報
シスコ・システムズ(CSCO)はIPベースのネットワーク製品と関連通信製品を世界的に展開する米国企業です。
主要製品には、LANスイッチ、サービス統合型ルータ、WANルータ、セキュリティアプライアンス・ソフトウェア、ワイヤレスを含むネットワーク製品、クラウド製品などがあります。
シスコ・システムズは2019年7月に光学部品アカシアを26億ドル(約2830億円)で買収しました。アカシアは光速の光通信技術に強みがあります。シスコ・システムズはアカシア買収により光通信事業を強化し、来たる5Gの時代に向けて着々と手を打っています。
シスコ・システムズ(CSCO)の株価推移
シスコ・システムズ(CSCO)の株価推移を確認します。
中長期的には安定した利益成長を背景に着実に株価を上昇させています。
本年8月15日に発表された2019年第4四半期(5-7月)決算では、実績が市場予想を上回り、順調な経営状況が確認されました。
一方で、2020年第1四半期(19年8-10月)の業績予想が市場予想を下回り、結果として株価が急落しました。特に米中貿易戦争の影響による中国市場の減速が懸念されています。
シスコ・システムズ(CSCO)の理論株価
さて、本題のシスコ・システムズ(CSCO)の理論株価を算出していきます。
前提条件
先ずは前提条件です。
財務データは直近の通期決算をMorningstarから、発行済株式数については最新のものをYahoo financeから引用しています。
②フリーキャッシュフロー(FCF)は2019年決算の実績となります。Morningstar社の算出結果をそのまま採用しています。
③2020~2024年までのFCF成長率は2%に設定しました。シスコ・システムズ(CSCO)は過去5年のFCF成長率が年率3%あり、そのまま3%を採用することも考えましたが、米中貿易戦争の影響も加味して、保守的に2%と設定したものです。
④2025年以降のFCF永久成長率は、過去の米国平均インフレ率の2%に設定しました。
⑤割引率はWACC(加重平均資本コスト)とも呼ばれます。本サイトでは、割引率は7%に設定しています。詳しくはDCF法を用いた理論株価の計算方法をご参照下さい。
理論株価
上述の前提条件の下、理論株価を算出した結果、シスコ・システムズ(CSCO)の理論株価は「63.92ドル」となりました。
2019年9月13日時点の株価が50.03ドルなので、約22%ほどアンダーバリュー(割安)となります。
投資方針
2020年決算の見通しが市場予想に届かなかったという理由で、現在は約14%安の50.03ドルで推移しています。
ゆきまるは、株価のバリュエーションを判断する際に、「市場の憶測」に注意を払うよう心掛けています。(関連記事:効率的市場仮説の罠)
今回のシスコ・システムズ(CSCO)の急落は、まさに市場の憶測によるものですが、株価が14%下落する理由としては過度な反応ではないかと見ています。
また、今回の理論株価の算出においては、決して楽観的な前提に立ったわけではありませんが、約22%のアンダーバリュー(割安)という結果となりました。
結論として、シスコ・システムズ(CSCO)を現在のバリュエーションで購入することは、中長期的にみれば報われる可能性が高いと思います。
取引実績
ゆきまるは、上述のバリュエーション考察を基に、シスコ・システムズ(CSCO)は割安水準にあると判断し、8月16日に同社株を46.9ドルで30株(計1,407ドル)買い付けました。
今後、更に調整するようであれば、買い増しを検討します。
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