※2020年3月10日、2019年通期決算データ反映、コメント刷新。
今回はアップル(AAPL)の理論株価(適正株価)を算出します。
DCF法を用いた理論株価の計算方法の概要についてはこちらをご参照ください。
アップル(AAPL)の企業情報
アップル(AAPL)は、NYダウ工業株30種に名を連ねる米国を代表するIT大手です。
事業はメディアデバイス、PC、スマートフォン、タブレット端末などで、主要製品には「MAC」、「iPhone」、「iPad」、「iPod」、「Apple Watch」、「Apple TV」などがあります。また、「iOS」、「iCloud」、「Apple Music」「ApplePay」などのサービス事業も展開しています。
近年のアップル(AAPL)は、iPhoneへの依存体質を脱却するため、サービス事業への転換を明確に打ち出しています。
例えば、2019年8月には、アップルTVプラス向けのオリジナル動画コンテンツの制作を強化するため、60億ドル超を投資する方針を明らかにしました。(アップルTVプラスとは全米や日本でサービス開始を予定しているアップル初の有料ストリーミングテレビサービスです)
ストリーミング動画配信サービス市場は、ネットフリックスやフールーなどがシェア争いを繰り広げており、またウォルト・ディズニーも参入を表明しているため、今後、更に競争が激化しそうです。
アップル(AAPL)の株価推移
アップル(AAPL)の株価推移を確認します。
好調なサービス事業を追い風に、近年の株価はS&P500種指数を上回るスピードで成長してきましたが、新型コロナウィルスの感染拡大の影響による、世界同時株安により、現時点で2020年2月の最高値から19%安の水準で推移しています。
アップル(AAPL)の理論株価
さて、本題のアップル(AAPL)の理論株価を算出していきます。
前提条件
先ずは前提条件です。
財務データは直近の通期決算をMorningstarから、発行済株式数については最新のものをYahoo financeから引用しています。
②フリーキャッシュフロー(FCF)は2019年決算の実績となります。Morningstar社の算出結果をそのまま採用しています。
③2020~2024年までのFCF成長率は2%に設定しました。アップル(AAPL)の過去5年のFCF成長率は約3%となります。一方で、ここ数年のFCF成長率は横ばいとなっていることから、その点を考慮して2%に設定したものです。
④2025年以降のFCF永久成長率は、過去の米国インフレ率である2%に収束していくと予想ました。
⑤割引率はWACC(加重平均資本コスト)とも呼ばれます。本サイトでは、割引率は7%に設定しています。詳しくはDCF法を用いた理論株価の計算方法をご参照下さい。
理論株価
上述の前提条件の下、理論株価を算出した結果、アップル(AAPL)の理論株価は「240.64ドル」となりました。
3/9時点の株価が266.17ドルなので、約11%オーバーバリュー(割高)となります。
投資方針
アップル株については、2020年2月中旬まではかなり割高感がありましたが、新型コロナウィルスの感染拡大による世界同時株安により、理論株価+10%の値である264.71ドルに近づいてきました。
同社の主力製品である「iPhone」は、既に生活必需品とも言える程に我々の生活に浸透しており、今後も安定したキャッシュフローが期待できます。
同社が注力するサービス事業は競合他社も多いため、今後の売上高推移に留意する必要はありますが、フェアバリューの水準(240~265ドル)で購入できる機会があれば、新規買付を検討したいと思います。
コメント