アップル(AAPL)の理論株価は?

個別株

今回はアップル(AAPL)の理論株価(適正株価)を算出します。

DCF法を用いた理論株価の計算方法の概要についてはこちらをご参照ください。

アップル(AAPL)の企業情報

アップル(AAPL)は、NYダウ工業株30種に名を連ねる米国を代表するIT大手です。

事業はメディアデバイス、PC、スマートフォン、タブレット端末などで、主要製品には「MAC」、「iPhone」、「iPad」、「iPod」、「Apple Watch」、「Apple TV」などがあります。また、「iOS」、「iCloud」、「Apple Music」「ApplePay」などのサービス事業も展開しています。

2018通期決算時点で売上高の約6割はiPhoneによるものです。しかし、iPhoneは2015年に販売数量が頭打ちとなっており、売上高は伸び悩んでいます。

そのため、近年のアップル(AAPL)は、iPhoneへの依存体質を脱却するため、サービス事業への転換を明確に打ち出しています

例えば、2019年8月には、アップルTVプラス向けのオリジナル動画コンテンツの制作を強化するため、60億ドル超を投資する方針を明らかにしました。(アップルTVプラスとは全米や日本でサービス開始を予定しているアップル初の有料ストリーミングテレビサービスです)

ストリーミング動画配信サービス市場は、ネットフリックスやフールーなどがシェア争いを繰り広げており、またウォルト・ディズニーも参入を表明しているため、今後、更に競争が激化しそうです。

アップル(AAPL)の株価推移

アップル(AAPL)の株価推移を確認します。

2018年秋から2019年始にかけて、一時、株価は大きく調整しました。2018年10月の高値233ドルから2019年1月の安値142ドルまで、実に40%の大暴落でした。理由は米中貿易戦争による売上減少と新型iPhone(高価格帯端末)の売行き懸念です。

しかしながら、その後、株価は大きく上昇し、2018年秋の高値付近まで回復してきました。その起爆剤となっているのが、サービス部門他の売上拡大です。

直近の2019年Q3決算では、iPhoneの売上が前年同期比11.8%減と振るわなかったのに対して、サービス部門の売上が12.6%増となり過去最高を記録しました。また、Mac製品が10.7%増、ウエアラブル・ホーム&アクセサリーが48.0増、iPadが8.4%増とその他の製品も着実な成長を見せました。

2019年Q3決算でいえば、iPhoneは総売上高の半分を切っており、iPhone依存の体質からは着実に脱却を図れているようです。

市場は、そうしたアップルの業績を好感し、2019年以降の株価上昇に繋がっています。

アップル(AAPL)の理論株価

さて、本題のアップル(AAPL)の理論株価を算出していきます。

前提条件

先ずは前提条件です。

財務データは直近の通期決算をMorningstarから、発行済株式数については最新のものをYahoo financeから引用しています。

②フリーキャッシュフロー(FCF)は2018年決算の実績となります。Morningstar社の算出結果をそのまま採用しています。

2019~2023年までのFCF成長率は0%に設定しました。アップル(AAPL)のFCFが過去最高を記録したのはiPhone売上高が頭打ちとなった2015年であり、その時点と比べると、2018年までに年率で3%減少しています。つまり、近年はFCFは必ずしも右肩上がりで成長していません。一方で、サービス部門他の売上高増加の兆しも見えていますので、暫くはFCFを維持しながらサービス事業への転換を図る(売上高は拡大するがサービス部門への投資も増加=FCFは維持)と予想しました。

2024年以降のFCF永久成長率は、過去の米国インフレ率である2%に収束していくと予想ました。

⑤割引率はWACC(加重平均資本コスト)とも呼ばれます。本サイトでは、割引率は7%に設定しています。詳しくはDCF法を用いた理論株価の計算方法をご参照下さい。

理論株価

上述の前提条件の下、理論株価を算出した結果、アップル(AAPL)の理論株価は「221.96ドル」となりました。

9/6時点の株価が213.26ドルなので、ほぼフェアバリュー(適正値)となります。

投資方針

今回の理論株価の算出では、アップルがサービス事業への転換を図る中で、当面はFCFを維持していく(中長期的にはインフレ率と同等の成長は遂げる)という前提を置きました。その前提に立てば、現在の株価はフェアバリューと言えます。

一方で、懸念があるとすれば、①iPhoneの売上が想定よりも減少すること、②サービス事業への転換が想定通りにいかないことの2点です。

①については、iPhoneの高価格帯へのシフトが必ずしも順調ではないことが挙げられます。2018年にアップルはiPhone XS、XRを発売しましたが、XSの値段が11万以上、XRでも8万以上と高額で、既存ユーザーのiPhone離れや、iPhone8などの既存機種への切り替えも見られました。

その間、スマホ市場では、Googleが「Pixel 3a」という4万円前後の高コスパの製品を市場に送り出すなど、競合他社も徐々にiPhoneの牙城を切り崩そうとしています。アップルは2020年にも低価格帯の新製品(事実上のiPhone SE後継機)を投入しiPhoneユーザーの繋ぎ止めにかかるとのことですが、ライバル企業も虎視眈々とシェア獲得を狙っており予断を許しません。

②については、アップルが注力しているサービス部門には、既に競合他社も多いという懸念があります。音楽配信事業(Apple Music)、キャッシュレス決済市場(ApplePay)だけでなく、ストリーミング動画配信サービス市場においても、強力なライバル会社がひしめいており、その中でアップルがどれだけ存在感を出していけるかが焦点となります。また、アップルのサービス事業はiPhoneというプラットフォームに依存していますので、iPhoneの売上が減少するようだとサービス部門の拡大にも限界が見えてきます。

以上のことを踏まえると、ゆきまるとしては、アップルのビジネスは先行きが読みにくく、投資判断が非常に難しいと感じています。現在の株価はフェアバリューにあるとは思いますが、現在の株価で買うかと言われれば、躊躇してしまうというのが正直なところです。

 

クリック頂けると記事更新の励みになります。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました